夏にはたくさんの感染症が増えてきますが、こども夏の皮膚科感染症といえば、それは
み ず い ぼ
特に奏の杜は小さな子供が多い地区なので、クリニックにもみずいぼのお子さんが多くいらっしゃいます。
毎日必ずといっていいほどみずいぼの処置をしていますし、ときにはみずいぼセッシ(トラコーマ攝子というリング状のピンセット)が足りなくなるという事態も発生!
もともと4本あったのですが、5本目を追加注文しました・・・1日5人まで処置できます
そんな中よく聞かれる質問が
みずいぼ、取った方がいいんですか?
というもの。
みずいぼを取るかどうかは、かねてよりアツイ議論があります。
よく「みずいぼは自然に治るものなので放っておいてもよい」などと聞きますが、抗体ができて自然になおるまで半年~3年くらいかかります。
わたしの感じでは1年~1年半くらいかかることが多いです。
結構長期ですよね・・・
放っている間に、みずいぼがたくさん増えてしまうケース、かき壊して湿疹になったり化膿したりするケースも。
とくに乾燥肌やアトピーのある子は皮膚のバリア機能が低下しているため、みずいぼが広がりやすいです💦
また放っている間にまわりの友達や兄弟にうつしてしまう可能性もありますし、プールや水遊びができないなんて場合もあります。
(現在、日本小児皮膚科学会の統一見解では、プールを制限する必要はないことになっています。ただ現状では、学会や医者が許しても、保育園や幼稚園、スイミングスクールはなかなかゆるしてはくれないところが多いです。みずいぼのある部位を水着やラッシュガードで覆ってしまえばいいと説明はしていますが)
とくにたーくさん増えてしまってから、みずいぼを取ることになると、こどもへの負担も増えますし、やっぱりなにかと大変ですので
結論としては(個人的な考えです)数の少ないうちに取ってしまったほうがいいかな・・・・と思います。
取る場合には、子供には耐えられない痛みを伴いますので、当院では「ペンレステープ」という麻酔のテープを貼ってから行っています。
ペンレステープの麻酔の効果は高く、しっかり貼ればほぼ無痛で処置することが可能です。
実際、赤ちゃんや小学生くらいの大きいお子さんだと、ほとんど痛がることはありません。
ただし一度でも押さえつけてみずいぼを取られたことのあるお子さんや(恐怖心がかなり強くなってしまいます)、2~4歳くらいのお子さん(予防接種などで病院が嫌いになっている場合)などはテープを貼っても、触られている感覚を痛い!と感じてしまうことがあります。
当院では、力づくで押さえつけてみずいぼを取る、ことは極力しないようにしていますので、せっかく時間をかけて麻酔のテープを貼ってきていただいても、状況によって処置を途中で切り上げることもあります。(お子さんをこれ以上病院嫌いにしないためですのでご了承ください。)
また1度でみずいぼがすべてなくなるわけでなく、通常は数回繰り返して処置する必要があります。
肉眼的に観察できないくらい小さなみずいぼが、すこし経つと育って出てくるためです。
タイトルの答えをまとめると、
<取ったほうがいい場合>
乾燥肌やアトピーがある。かゆみが強い。かきこわしてしまい湿疹化している(掻くことで必ずみずいぼが増えます)場合
保育園や幼稚園でプールや水遊びを制限されている場合
<取らなくてもいい場合>
数が増えず、かゆみもなく、固定している
プールや水遊びに関して集団生活での制限がない(もしくは、みずいぼが、水着などで隠れる部位に限局している)場合
とここまで書きましたが、実際にはケースバイケースなので
みずいぼで困っておられましたら、どうぞ相談してくださいね☆