皮膚科の薬と言えば、
ぬり薬(外用剤)
もちろん内服薬も使用しますが、やっぱり主役は塗り薬☆
数ある塗り薬を、いかに使い分けるかが、皮膚科医の使命だと思っています。
塗り薬で代表的なものだけでも
保湿剤
かゆみどめ
ステロイド剤
抗真菌薬
抗菌薬
ニキビの薬
抗ウイルス薬
創傷治療(きず)に使う薬
などなど本当にいろいろなものがあるんですよ。
ちなみに 薬局やドラッグストアで気軽に買える「ぬりぐすり」の代表格オロ〇インの効能効果は
- にきび
- 吹出物
- はたけ
- やけど(かるいもの)
- ひび
- しもやけ
- あかぎれ
- きず
- 水虫(じゅくじゅくしていないもの)
- たむし
- いんきん
- しらくも
と書いてありますが、実際はそんな万能薬は存在しないわけで・・・
症状や原因が違えば、薬もまったく違ってきます。
市販薬が効かないというわけではありませんが、
やはり処方箋で出せる薬のほうが、よく効く、のが普通です。
普段の診療では
患者さんの皮膚症状ごとに、薬を使いわけ、時には混ぜ合わせて処方しています。
湿疹だから、このくすり! ニキビにはコレ!、子供にはコレ!というような画一的な処方はしていません。
肌をじっとみて触って、患者さんのバックグラウンドも考慮したうえで
患者さんごとに、また体の部位ごとに、
薬を選択し、どの薬をどんな割合で混ぜるのか を決めています。
カッコよく言えば、
✨オーダーメイドの外用治療✨
それがわたしのこだわりです。
一例として
皮膚科診療で最も重要な役割をになっている、
ステロイド外用剤は、その強さによって5ランクに分けられます。
「Strongest(最も強い)(I群)」「Very Strong(かなり強い)(II群)」「Strong(やや強い)(III群)」「Medium(普通)(IV群)」「Weak(弱い)(V群)」
また、それぞれのランクごとに
さらに3~5数種類の薬があり、強さや使用感も微妙に違います。
例えば2番目に強いランク(very strongクラス)のステロイド剤は、マイザー、アンテベート、ネリゾナ、フルメタ、など数種類がありますが、これらの薬もそれぞれちょっとずつ違います。
全く同じ強さで同じように効くというわけではありません。
さらに同じ名前の薬でも、軟膏、クリーム、ローションと基剤によって複数の剤型があり
例えばアンテベートならば、アンテベート軟膏、アンテベートクリーム、アンテベートローションと3種類があって、使用感や使用部位が異なっています。
そんなふうに考えてみると
普段からステロイドの外用剤だけで30種類以上の薬を使い分けています。
患者さんの皮膚症状や、発疹の部位、炎症の強さ、年齢、塗りやすさ、好み、、、
などを考えながら、どんな薬を選んで調合するかを決めているのですが、
それが私のひそかな楽しみでもありますし、趣味のようなものでもあり・・・
経験と勘が必要ですが、うまく効いてくれて、患者さんに喜んでもらえると
皮膚科医になってよかったな~とうれしくなります☺
薬を選択するときには、効果がある、ことと 安全性を最も重視して処方するようにしています。
(安全性と効果は相反する部分でもありますので)
しかし、考えてお出しした薬も患者さんに気に入ってもらえないと、結果的にお薬を使ってもらえず症状が改善しません。
せっかくの良いお薬も、使ってもらえなければ無意味なものになってしまいますので
患者さんの好みや希望も、効果や安全性と同じくらい大切にしています。
塗り薬が、効かなかったり、合わなかったり、使用感が好みでなかったり
そんな時には、遠慮なく教えてくださいね。
そんな時こそ、皮膚科医の出番ですので!
ちなみに
ステロイドの外用剤は
皮膚科専門医が、きちんと診察をして処方したものを
正しく使えば まったく怖いことはありません。
どうぞご安心ください!
ステロイドを使いたくない患者さんには
ご希望に合わせてお薬を処方しますので
そんな場合もご相談ください。