当院の問診票には、症状を記入してもらう欄がありますが、そこに
水虫?
と書かれる患者さんが目立つようになったこの季節。
水虫?の患者さんの足を見て、
「皮むけしてますね、、、かゆみもありますか?そうですか。
おそらく水虫だと思いますので薬お出ししますね。」
。。。。
なーんていうのは絶対に×です。
皮膚科の診療では「みただけ」で水虫、と診断することはありません。
あれ、でも皮膚科の先生ならば、経験から「みただけ」で診断できるんじゃないですか?
そんな声も聞こえてきそうですが、水虫を「みただけ」で完璧に診断できる医師は、たとえ皮膚科専門医であってもいません!!
経験豊富な皮膚科専門医に、視診のみで「足白癬」を診断してもらったら、正解率は7割くらいであったというデータがあるほど。
必ず、皮膚のサンプル(皮むけ)をとって顕微鏡で調べる必要があります。(👈重要)
かくいう私も診療の場で、水虫なのかそうでないのか、だいたいのアタリをつけてから顕微鏡をのぞいていますが、
心の中の診断は、間違っていることがたびたびあります…大きな声ではいえませんが。
「みただけ」の診断はまったく当てにならないということになります。
水虫に似ているものの中で、もっとも多いのが「汗疱」というもの。
汗をかく時期になると、足に小水疱ができたり、皮むけしたり、かゆくなったり。
こどもや汗っかきの方に多く、毎年繰り返すことも珍しくありません。
毎年夏になると、水虫の市販薬を塗り、しばらくするとおさまる・・・冬は症状がなくて
また夏になると繰り返す。
このような場合は水虫ではなく、汗疱かもしれません。
水虫かな?と思ったら、市販薬で様子を見るのではなく
受診をして検査をしてもらいましょう。
皮膚科を受診するときは、水虫の薬、は使用を中止してから来てくださいね。
塗っていると正確な診断がしにくくなります。
最低でも1週間、爪の薬は1ヶ月は何もつけない状態で受診することをお勧めします。