ブログ|習志野市の奏の杜すずらん皮膚科|津田沼駅南口徒歩8分

2つのボトックス 

「ボトックス」と聞いてみなさん何を思い浮かべますか?

最近ではボツリヌス製剤のことを一般的にボトックスと呼ぶことが多くなっておりますが、本来「ボトックス」とは米国アラガン社のボツリヌス製剤の商品名です。

「ボトックス」とはA型ボツリヌス毒素から抽出した製剤で、筋肉を弛緩させる働きがあるので、近年美容分野でしわ治療に使われています。

同じようなボツリヌス毒素製剤はアラガン社のボトックス以外にもたくさんあるのですが、それらは「ボツリヌストキシン製剤」であって厳密には「ボトックス」とは呼んではいけないんですね。。。(韓国製のニューロノックス、ドイツ製のゼミオン、イギリス製のディスポートなどあります)

 

日本では、美容のしわ治療(自費)のほかに保険診療でボトックスを使う疾患がいくつかあります。

その一つが「わき汗」の治療です。

正式には「原発性重度腋窩多汗症」というのですが、このワキ汗を抑える目的でボトックスを用いた保険治療が認められています。

この時に使用するボトックスは、米国アラガン社製造のボトックスを、日本のグラクソスミスクライン社が輸入し販売している「ボトックス」です。これ以外のボツリヌス製剤は保険診療では使えないんですね。

(自費診療であれば、別のボツリヌス製剤も使用できます。当院では保険治療しかしていませんが・・・)

この薬はとっても高価ですので、ボトックスのワキ汗の治療は、3割負担で28000円くらいします。この治療費のほとんどは薬代です。

また希望の患者さんがいらっしゃってから薬を発注する必要があり院内在庫を置けないので、患者さんが来てすぐに「ハイ打ちましょう」とはなりません。

高価で手続きも面倒ですが、汗止めには非常に有効な治療法だと思います。

 

もうひとつ「ボトックスビスタ」という製品があります。

こちらはアラガン社の「ボトックス」を日本国向けに日本のアラガンジャパンが輸送、管理、販売しているものです。

製造元は同じアラガン社ですので、ワキ汗に使うグラクソの「ボトックス」と「ボトックスビスタ」は中身は同じものだと思うんですが、ワキ汗(保険治療)には「ボトックスビスタ」は制度上使用できないことになっています。

一方こちらの「ボトックスビスタ」は主に美容分野で広く使用されています。

これは「ボトックスビスタ」が「眉間の表情じわ・目じりの表情じわ」に対して唯一厚生省の承認がおりているボツリヌス製剤だからです。しわ治療に対する安全性や有効性が認められています。

そのため、最近のしわ治療では多くのクリニックがこちらの「ボトックスビスタ」を採用しています。安全性(安心感?)には代えられませんので・・・

ボトックスビスタは他社のものより価格が高く、いわば高級ブランドの正規品、といったところですね。

 

ボトックスビスタを扱うには指定の講習を受け、アラガンジャパンへの登録が必要になります。

さらに1年ごとの更新も必要になっているのですが、じつはわたくし

ボトックスビスタの施注資格の更新日が過ぎてしまい、そのまま放置になっておりました・・・(^^;)

最近ようやく再登録ができましたので、準備が整えば、美容(しわ)のボトックス治療を開始しようかと考えています。

患者さんの希望やあればお応えしたいと思っていますが、どうなりましょうか。

 

 

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