奏の杜はこどもの多い街なので、当院にも毎日たくさんのこども達がきています。
夏の小児皮膚疾患、ベストスリーといえば
とびひ、みずいぼ、、それに
あせも(╹◡╹)
「あせも」というのは俗称で
正式な病名は「汗疹(かんしん)」と言います。
たくさん汗をかいて、皮膚の中に汗がたまってしまい、プチプチ、プツプツができるものです。
あせもには種類があり
①水晶様汗疹
色のない透明感のあるぶつぶつで、通常かゆみはなく、清潔にしていれば自然におさまります。
②紅色汗疹
赤くプツプツして、かゆみを伴います。掻きこわして湿疹になったり、ばい菌が入ってとびひになったりすることもあります。診察中にみるのは、このタイプのあせもがほとんどです。
あせもの対策はまずは予防から☆
エアコンなどを上手につかい、なるべく汗をかかないようにするのが一番ですが、汗をかいてしまったら、濡れたガーゼやタオルでふき取るとよいでしょう。
あせをかいたらこまめに着替えをしましょう。
肌に直接触れる肌着などは、通気性の良い綿がおすすめです。
あせもの治療
診察室で「あせもですね〜」と言うと、お母さん達は「コレあせもですか!あ〜あせもなら良かったです」とホッとされます。
軽いものであれば、涼しくしておくだけで自然によくなりますが、放っておくと引っ掻いて悪化してしまうこともあり、薬を処方ことが多いです。
かゆみが強い場合には、短期間、皮膚に副作用の出にくい弱めのステロイド外用剤を塗ってもらいます。
ステロイド、というと怖く感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、塗ると2〜3日で治ってしまいます。外用する期間は短いですし、赤ちゃんでも使えるランクのお薬を選んでいるので心配はいりません。
乾燥肌のお子さんだと、汗疹を掻いて悪化させてしまうので、予防的に保湿剤を使うことをすすめています。
赤ちゃんの保湿剤というと、ワセリンが有名ですが、あせものできやすいお子さんには、汗の腺の出口や毛穴を詰まらせあせもが悪化するので、当院ではベタベタ系の保湿を夏に使用することは少ないです。その代わりにローションタイプのさらっとした保湿剤を用いています。ヒルドイドローションや、ビーソフテンローションなんかがよいですね。
診察室でよくあるあせもQ&A
Q どうして赤ちゃんや小さな子供にあせもができやすいの?
赤ちゃんは一般的に、体温が高く汗っかきです。大人の3倍もの汗をかくと言われています。そのうえ汗腺の数は大人と同じだけあり、体表面積を考えるとそれだけ汗腺が密集してあることが分かります。あせもができやすいのもそのためです。
Q どうして、あせもに保湿剤をつかうの?
あせも自体は乾燥肌が原因ではありませんが、肌がかさかさして皮膚のバリア機能が壊れていると、あせもが痒くなったりして、湿疹になりやすくなります。
あせもがなおったら、適度に保湿をしておくことはあせもの予防に重要です。
ワセリンやベビーオイルなどは使わずに水溶性のさらっとした保湿ローションをつかうようにするとよいでしょう。
Q シッカロールは使ったほうがいいのですか?
シッカロールのようなベビーパウダーは、つけるとサラサラするようで良さそうな気がしますね。けれども汗腺の出口をふさいでしまうため、あせもが悪化してしまうことがあります。積極的におすすめすることはありません。