奏の杜すずらん皮膚科は2026年5月9日に開院10周年を迎えることができました。この大きな節目を迎えることができたのは、当院を信頼してくださった患者様のおかげです。心より感謝申し上げます。
振り返れば10年前、都内の総合病院の勤務医として働いていた私は、自分が本当にしたい医療が何かを考えて、皮膚科クリニックを開院することを決断いたしました。勤務医の立場では、患者様に使いたい薬も自由には使えず、欲しい医療機器も購入することは許されなかったので、開業後は自分が望む形で患者様と向き合えるという当たり前のことがとても新鮮で嬉しかったことを思い出します。
開業当時は、診療の他に慣れない事務仕事に四苦八苦し、2人の幼い子供の保育園への送迎や、仕事後の育児家事でその頃の記憶がほとんどないほど忙しく、家族にはずいぶん助けられました。いまでは子供達も成長し少しだけ手が離れ、毎日の診療もいい意味で落ち着きが出て自分らしさも出せるようになってきたと感じています。
開業当初、まだ小さなお子様だった患者様が、成長して別の悩みで受診されることも増えました。久しぶりに受診されて、その成長を目の当たりにし、「大きくなったね〜」などと声をかけることが密かな楽しみとなっています。また当院をかかりつけにして通ってくださる患者様との他愛のない会話もほっとできる瞬間です。
最近では遠方から足を運んでくださる患者様や、他の医療機関の先生方からご紹介いただくケースも増え、ありがたい反面身の引き締まる思いを感じています。
しかし、この10年のあゆみは決して順調なことばかりではありませんでした。開院後1年間で多くのスタッフが辞めてしまったり(今では考えられませんが、土曜日の午前中の診療を19時まで行っていました。院長のやる気にスタッフがついて来られなかったのだと反省しています。)、コロナ禍で患者様が激減してしまったり、その他ここでは書けないような困難もありました。
それでも10年間やってこられたのは、私の理想を理解して共にクリニックを作りあげてくれたスタッフが支えていてくれたからこそだと思っています。優秀で志の高いスタッフに恵まれたことはクリニックと私にとって最大の幸運でした。
この10年で皮膚科領域にも新しい治療法や薬が次々と誕生しました。きっと今後10年も同じように医療は進歩し続けると思います。個人クリニックの強みを活かし、これまで通りエビデンスに基づいた良質な医療をいち早く現場に取り入れ、患者様に提供していくことを使命としていく所存です。
10周年を迎えた今、改めて初心に戻り、地域で最も信頼される皮膚科クリニックを目指して精進してまいります。次の10年もどうぞよろしくお願いいたします。
奏の杜すずらん皮膚科 院長 辻 桂子
